ワイヤレスキー

フィアット、ランチア、アルファロメオ、アバルトの車はワイヤレスキーが採用されていますよね。納車時には必ず1個が手元にあるはずです。車のキーの管理は皆様しっかりとされていると思うのですけど、色々と不測の事態が起こるかもですし、不運で水没することもあるかも知れません。できれば2個手元にあるといいよなぁって思いますよね。私の場合、Fiat500 1.4 Sport 2008には入手時に1個のワイヤレスキーのみが付いてきたんですけど、万が一のために予備があった方がいいなーって思ってました。

もう1個ワイヤレスキーを作る場合、新車をディーラーで買ったならばそのディーラーが対応してくれるかと思います。ただ、中古で購入した場合、対応してくれるディーラーを探す手間があり、何とか自分でできないものかと思いまして。色々と情報を集めつつ試してみると、無事に作れました!下の画像で黄色い外装の物が元々付いてきたキーで、黒いのが今回無事に作成できたキーです。

ワイヤレスキーは主要な構成としてキーブレードと中身に内臓されている基盤があります。キーブレードはドアのキーシリンダ、ステアリング近くのエンジン始動用キーシリンダ、燃料タンクキャップのキーシリンダ用に作成されていて、キーブレードがあればドアの開錠施錠や燃料タンクキャップの開錠施錠をすることができます。中の基盤には、微弱な電波を発信する小さなICであるトランスポンダーチップが内臓されていて、エンジン始動時にキーの識別をして、そのキーが正しくボディコンピュータモジュールに登録されている場合、エンジンが始動するようになっています。あと、ワイヤレスでのドアの施錠と開錠、トランクの開錠を可能にしています。

Fiat500等のワイヤレスキーの外装交換、あるいは電池交換をされたことがあるかも知れません。これらは比較的簡単かと思います。ワイヤレスキーのリモコン機能が動作しない場合はまずは電池交換してみて下さい。電池の交換の際に電池ホルダーを取り出すとき、ホルダーのアンロックは、ねじっぽいのを鍵が外れているマークの方へマイナスドライバーで少し回すだけなので、間違ってもネジだと思って左回しにぐりぐり回さないように!(実はやりました笑)ワイヤレスキーの外装が交換できるのなら、ラバーキーパッドの交換も簡単です。これらはワイヤレスキー本体機能に影響を及ぼすことが全然ないので、気兼ねなくチャレンジ頂ければと思います。ワイヤレスキーの外装を変えると気分変わるので楽しいです。私は画像のような黄色の外装に交換したのですが、なかなか気に入っています。外装交換は小さなマイナスドライバー等があれば簡単で、まずは外装の表側を外して、それから裏側を外します。表側が外れれば、キーパッドの交換もできますよ。

ワイヤレスキーのリモコン機能が水没等で壊れてしまった場合は残念ながら中の基盤の交換になります。その場合は外装の表裏を外して、裏側にあるねじを外してから、小さなマイナスドライバーで本体周りのツメを外して上下2つの部品を分離します。キーブレード部にバネ機構が組み込まれているので、バネがどこかに飛んでしまわないよう、そーっと上下の部品を分離するのがお勧めです。下の図がワイヤレスキーの上下部分を分離して撮った画像です。

このままでくれば基盤の交換が可能です。キーブレードのバネ回転機構をばらして完全にバラバラにした状態は下記の画像のような感じです。かなり年数が経っている内部に汚れがとても堆積してるので、クリーニングするのもお勧めです。

ワイヤレスキーには純正品と社外品があるのですが、お互いの各部品について交換可能なものあれば交換不可のものもあります。社外品によっても異なる場合がありますので、両方を見比べながら必要に応じて部品の組み換え等を行って頂ければと思います。私が色々と試したところ、確実にどちらへも組み込めるのは、キーブレード先端部、基盤、キーパッド、外装部という感じです。電池ホルダーも似てるのですが、大きさが若干違うようです。キーブレードの飛び出し機構は同じなのですが、細かな部分が異なり、この機構部の部品には互換性がないです。試してないのですが、もしかしたら、キーブレード根本部には互換性があるかもですけども。なお、キーブレードは小さな細いピンで回転する根元部に固定されているので、そのピンを取り外せばキーブレード本体が交換できます。余談になりますが、キーブレードの収納がイマイチで少し飛び出し気味になっている場合、下の画像の回転穴上下にある四角いロック用穴が広がっているかと思います。その場合は小さな金属片等を瞬間接着剤で広がった穴部分に下記画像のように埋めると復活します。私は缶詰めの蓋を細かく切って使うとうまく行きました!細かな補修作業が面倒ならば社外品へキーブレードと基盤を移植するのが一番簡単にリフレッシュできるかと思います。

ワイヤレスキーを最初から作成する場合は、キーブレードをカットして貰う必要があります。車のカギ屋さんがあるので、そこにブランクのキーブレードと手元にある使えるキーを渡せばブランクキーをカットしてくれます。私の方は色々と探すと、こちらではキーブレードの画像からブランクキーブレードをカットしてくれるサービスがあったので、それを利用しました。なお、ボディコンピュータモジュールにはキーの固有番号が格納されているらしく、その番号がわかればそれだけでキーカットをお願いできるようです。手元に届いたカットされたキーブレードを試すと、問題なくドアの開錠やセルの回転(エンジンは掛かりません)が出来てまずは第一歩クリアという感じでした!

水没した場合や新しくワイヤレスキーを作る場合、基盤が入ってるだけではエンジンが掛かりませんし、ワイヤレスでドアやトランクの開錠や施錠もできません。基盤のトランスポンダーを専用ツールでプログラムして、ボディコンピュータモジュールに登録する必要があります。トランスポンダーは車体側のキーシリンダ周りのアンテナを介して、キーの情報をボディコンピュータモジュールへ送るのですが、キー側の情報とボディコンピュータモジュール側の情報が一致していなければ、キーをひねってもセルは回れどエンジンが掛からないです。下図中にキーの差し込み口周りのアンテナ部品が見えるかと思います。なお、ワイヤレスキー登録に下図のような分解は全然必要ないです。コラムスイッチを交換したのでそのついでに撮りました。コラムスイッチ交換についてはまた書きます。

さて、交換用や新しいワイヤレスキーの基盤を用意するときに注意するのは、もともと使っているワイヤレスキーの基盤がDelphi製かMarelli製かということと、周波数433MHzか315MHzかというのを確認することが重要です。基盤のメーカーを調べるのは、分解して基盤を確認すると製造メーカの名前があります。社外品のものにはないのですけども。あるいは専用のツールを使って調べることもできます。下の画像で上は純正基盤、下は社外品基盤です。

周波数も専用のツールで調べることができるのですが、欧州並行車は433MHzが使われていて、日本国内正規輸入車は315MHzです。周波数が異なるとボディコンピュータモジュールが対応していないので残念ながら使えません。部品図を確認すると日本向けのFiat500はボディコンピュータが欧州品とは異なるようで、OBD接続からの設定変更等で周波数変更はできなさそうです。社外品の基盤で良く流通しているのはDelphi製の433MHz品で、今まで3台ほど試しましたけども欧州で販売された車はそれで問題なく適合しています。今のところ、国内用315MHzの社外品基盤は入手が出来なさそうでディーラーで純正品の新品をオーダーするしか方法がありません。なお、中古品の純正キーの基盤は残念ながらそのまま使えないです。ワイヤレスキーの基盤は純正、社外品ともにOTP(One-Time Programmable)のICを採用していて、一度書き込まれると上書きや消去等が出来ないのです。

欧州販売車の場合はL.SPARESでも販売している433MHzのDelphi互換基盤が使えて、専用のツールがあればワイヤレスキーのプログラムと登録が可能です。専用ツールはXhorseやAutelが有名で私はAutelのものを使っています。ワイヤレスキーのプログラムを行うまえに、専用ツールをOBDポートに接続してイモビライザーの情報を取得する必要があります。下記の図は接続が完了している状態で選択できるメニューが表示されている状態です。

ワイヤレスキーをプログラムする場合、念のために書き込みたいワイヤレスキーを上部の穴に入れて、Unlock Keyを選択実行して書き込む基盤がUnlockされていることを確認して下さい。

その後でディーラーキーの作成を選択して、書き込みたいワイヤレスキーを上部の穴に入れて待つとプログラムが完了します。

ディーラーキーが作成できてもそのままでは使えないので、今使ってるキーと共にボディコンピュータモジュールにすべてのキーを登録する必要があります。 Key Learningを選択して、表示される手順の通りに一つずつ登録したいキーを差したり抜いたりしていくと無事に完了します。あとはOBD接続を外して、それぞれのワイヤレスキーが普通に動作するかどうか、まずはエンジンが掛かるかを試してみて、問題がなければリモートでドアの開錠施錠とトランクの開錠ができることを確認して作業終了です!

現在のところ、並行車の場合は社外品の基盤が適合するならばワイヤレスキーのプログラムと登録が可能です。現在L.SPARESで販売してる500CのTwinairにはキーが2個付いて来たのですが、そのうち1個は全然信号が出ずで社外品の基盤へ交換して登録できましたし、今回試したFiat500 1.4 Sport 2008も新しくワイヤレスキーが作れました。たぶん、2010前後のFiat500、パンダ、ランチア844デルタ、New Ypsilon、アルファロメオMitoやジュリエッタは何とかなるのではと思います。2010よりも古い車種も対応できるかと思うのですが、試してみる必要があるかと思います。あと、ワイヤレスキーではなくて、トランスポンダー入りの単なるキーの作成も可能と思います。需要があるのでしたら、今田に色々と伝授してL.SPARESの事務所にてワイヤレスキーのプログラムと登録を今田が対応できるようにしたいと考えています。キーブレードのカットも対応できるかと思います。また専用ツールの入手サポートも可能です。あと国内版の315MHz基盤をどうするかなのですが、現在試行錯誤を進めていまして、うまく行けばまたご報告できればと思っています。とにかく、何かありましたら気軽にお問合せ頂ければと思っています。

今回作った2個目のワイヤレスキーは全然使わないのですが、自分で作れただけでうれしいですし、あるだけで安心してます。

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