整備のための車体リフトアップの方法

個人で色々と車の整備を進めていくと、やはり車体のリフトアップが必要になってきますよね。今回は個人で出来る車体リフトアップについて書こうと思います。車の重さは大体1トン(1000㎏)以上あるので、何かあったときには人命に関わりますし車の損傷も大きいです。常に車は重たくてとても危ないもの、という意識をしながらリフトアップを進めて貰えればと思います。

一番簡単で車種に依存しないのはカーランプを使う方法です。ちょっと大きめで保管場所に困るかもですけど、一番安全で楽に車体をリフトアップできます。使い方は簡単で、車を止めてフロント両輪の前あるいはリア両輪の後にそれぞれカーランプを設置して、ゆっくり前進あるいは後退してタイヤがちょうどカーランプの窪みに落ち着いたところで、サイドブレーキを引いて完了です。とても簡単で安全でちょっとくらいの不整地でも使えて便利なんですけど、タイヤが外せないのでできる作業が限られます。でも、エンジンオイルやトランスミッションギアオイルの交換なら問題なくできるのがいいですよね。カーランプは高さが色々とあるのと、鉄製や樹脂製等あります。高さがある方が作業がしやすいのですけど、強度が必要になるので大きくて価格が高めになる気がします。適合荷重はご自身の車の車重を確認する必要があるのですが、デルタで1.5トン程度、Fiat500、New Ypsilon等の小型車は大体1トン程度なので、2トン対応の物を入手すれば十分です。

タイヤを外して色々と作業を進めたいという場合は、車体をジャッキアップしてアクスルスタンドで支える車体のリフトアップが適してます。まず大切なのはジャッキは車に付属のパンタグラフタイプではなくて、フロアジャッキで進めるのが確実でとても安全です。フロアジャッキにも耐荷重がありますが、2トンのものを入手すれば全然大丈夫かと思います。フロアジャッキは油圧抜け等のために車体が下がってくる可能性があるので、必ずリフトアップした後はアクスルスタンドで車体を支えます。あと、フロアジャッキのアーム先端をそのまま使うのではなく、木片やゴムブッシュを先端に載せて、ジャッキアップすると荷重が分散していいかもです。安全のために接地してるタイヤ側、例えば前側をリフトアップする場合は後輪側、にタイヤ止めをしましょう。

さて、ジャッキアップする車体の場所なんですけども、基本的には左右サイドシルがユーザーズマニュアルに記載されています。昔は左右のサイドシルに加えて簡単に使えるジャッキポイントが用意されていました。例えばデルタはフロントバンパー下の鉄フレームでジャッキアップすることが公式に推奨されてます。Lancia Yはトランスミッション下部にジャッキアップ用台座がありました。古い車はそれらのジャッキポイントを使ってリフトアップすると、車体左右サイドシルのジャッキポイントにアクスルスタンドを設置できるのが楽です。強度があるジャッキポイント以外のところ、例えば外装やサスペンションロアアーム等は強度がなく損傷してしまう可能性があるので、絶対にジャッキポイントとして使わないようにしてください。

新しい車は古い車のような便利なジャッキポイントが無くなって、サイドシルのみになっています。Fiat500の場合は下の画像のように、サイドシル前後に逆三角マークがあって、その奥にある折り込みがある部分がジャッキポイントです。New Ypsilon等も同様です。

新しい車はサイドシルのみがジャッキポイントに指定されているので、片側ずつ上げてアクスルスタンドで支えていく方法を取ります。ただ、フロアジャッキをサイドシルに掛けてリフトアップするとアクスルスタンドに入れ替えるスペースがないので、サイドシル奥のどう見ても強度が十分あるジャッキポイント、という感じのところを使ってフロアジャッキでリフトアップして、それからサイドシルのジャッキポイントをアクスルスタンドで支えます。Fiat500やNew Ypsilon等は、下の画像でフロアジャッキ先端の上側にある部分が前側のジャッキポイントとして使えます。

車体をリフトアップする前にまずはフロアジャッキの油圧バルブが閉まってるかを確認して下さい。油圧バルブが完全に閉まってないとフロアジャッキが上がりませんし、上がってもフロアジャッキが下がってきます。あと、取り外すタイヤのホイールボルトを必ず緩めておきましょう。さもないと、ジャッキアップした後では緩めるのが大変で危ないです。さて、油圧バルブの確認をして車体をリフトアップしていくのですが、十分な高さが確保できたところで、下の画像のように車体下にアクスルスタンドを差し入れます。アクスルスタンドの支持部にはサイドシルの折り目が損傷しないよう、切り込みがあるラバーパッドの使用をお勧めします。

アクスルスタンドがジャッキアップポイント付近に来るよう位置を合わせて、油圧バルブを少し緩めると車体がゆっくり下がってきます。油圧バルブをがばっと緩めないようにしてください、そうしてしまうと車体が一気に下がって危ないですし、アクスルスタンド位置の微調整が出来ずにサイドシルの折り目が損傷するかもです。あと、安全のため、アクスルスタンドの上部と車体の間には絶対に手や指を入れないようにしてください。とにかく、車体がゆっくり下がってアクスルスタンドに接するかどうかのところで油圧バルブを再度閉めて、アクスルスタンド位置を再調整するのがいいかと思います。あとは、また油圧バルブをゆっくり緩めて完全に車体がアクスルスタンドで支えられてる状態にします。

片側が終われば、もう片側を同様にジャッキアップして、アクスルスタンドで車体を支えます。両側のアクスルスタンドの接地面が傾いてないかを確認して、タイヤ等を持ちながら軽く車体をゆすってみて、しっかり安定していることを確認して完了です!あとはタイヤを外して、実施したい作業を進めます。あるいは簡易マット等で寝転んで車体下側の作業を進める感じかと思います。ちなみにリア側は下記の画像場所付近がジャッキアップポイントとして使えるかと思います。

画像の例はすべてFiat500 1.4 2008ですが、New Ypsilonもほぼ同じで、たぶん169パンダや316パンダ等でも同じかと思います。

デルタはサイドシルの奥側にアクスルスタンドを支えるポイントが見つかります。画像がないのですけど、穴が開いてる四角い車体から飛び出してる部分があってそこを使います。間違ってもサイドスカートをジャッキアップしちゃダメですよ。前側をリフトアップするときは、フロントバンパー下の鉄フレームの真ん中くらいをフロアジャッキでリフトアップすると、左右同時にアクスルスタンドが設置できます。フロントバンパー下の鉄フレーム近くにオイルクーラーのパイプが通ってるので損傷しないように注意して下さいね。前側をジャッキアップする場合、もしかしたら小型のフロアジャッキはアクスルスタンドを入れるには高さが足りないかもです。あと、個人でリアをリフトアップするときは、デフ部分をジャッキアップするしか方法がないです。

フロアジャッキとアクスルスタンドを使った車のジャッキアップはちょっと大掛かりで躊躇するかと思うのですが、ゆっくり焦らず進めれば必ず安全にできます。ただ、フロアジャッキとアクスルスタンド2個の購入は必須です。フロアジャッキは小型の2トンのもので十分使えるかと思います。ジャッキアップできるようになると、整備の幅が広がりますので是非ともチャレンジして貰えればと思っています。下の画像は数年前に今田がオイル交換にチャレンジしているところです。

個人的に思うのはまずは簡単な方法であるカーランプでエンジンオイル交換等をやってみて、慣れてきて工具も増えて色々と作業をしたくなったら、フロアジャッキとアクスルスタンドを試してみる、そんな感じでしょうか。車の下にもぐるのは最初かなり勇気がいりますが、今まで見えなかった部分が確認できるようになるのは楽しいです。あ、下にもぐるときは保護メガネを用意した方が絶対にいいですよ。

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