Fiat 500 MT車のクラッチスレーブシリンダ交換

クラッチフルードを交換したFiat 500 1.4 Sport 2008(右ハンドルMT)なんですけども、クラッチペダルを踏むとキューキュー鳴いて、エンジンが温まってくるとクラッチの戻りが悪くて最悪切れなくなる症状が収まらず。キューキュー音はクラッチ内部からでなくて、どうやらスレーブシリンダから聞こえてくる感じがあるので、スレーブシリンダ本体を交換することにしました。なお、Fiat 500の1.2と1.4の左ハンドルMTはクラッチワイヤー式なので、クラッチスレーブシリンダがありません。これらの車種でクラッチの切れが悪いときはクラッチワイヤー先端のナットで長さ調節、クラッチの動きが渋くなったときはクラッチワイヤーを交換するのがおすすめです。あと、169と316パンダ、ランチアNew Ypsilonもシャシが共通なためにほぼ同じ構造になっていて、今回紹介するのと同じ交換手順です。

さて、スレーブシリンダの交換はクラッチフルード交換と同様、とにかくバッテリーとバッテリートレイを取り外して、スレーブシリンダへのアクセスを確保する必要があります。ひとつ救いなのは、ジャッキアップが必要なく作業が進められます。バッテリー周りの取り外しについては、MT車用クラッチフルードの交換を参照頂ければと思います。バッテリートレイはハーネスを外して行くのが面倒なんですけども、根気よくやってみると何とかなるもんです。

新しく調達した社外品の金属製スレーブシリンダはクラッチホースが付属していません。クラッチ先端のプラスティックキャップも付属していないので現状のものから再利用しました。

純正部品はスレーブシリンダ単体で供給がなく、半分程度のクラッチホース付き(カップリング込)になっています。なお、マスターシリンダも同様で、純正部品はマスターシリンダにリザーバーと半分程度のクラッチホース(カップリング込)が付属したものが設定されていて、マスターシリンダ本体として純正品の供給はありません。マスターとスレーブの両クラッチホースは左タイヤハウス裏の位置でカップリング(画像下の黄色い筒形状部品)にて接続されています。

色々と調べると、場合によってこのカップリングが痛んでフルード漏れが発生するらしく、そのときは左タイヤの内側付近にクラッチオイルフルード漏れができて、クラッチペダルの感触がぶよぶよでクラッチが切れにくくなるかと思います。このカップリングの状態を確認したい場合は、左フロントをジャッキアップして、タイヤハウスの隙間に手を差し込んで、カップリングをブラケットから外して目視できるかと思います。あるいは、車体をリフトアップして下から確認という感じでしょうか。このカップリングは社外品がありまして、L.SPARESにて販売を予定しています。なお、クラッチホースは黒い樹脂製ですが、なかなかしっかりとした素材で十分再利用できるようです。

クラッチスレーブシリンダへのアクセスが確保できたら、シリンダを固定している2本のボルトを外してシリンダ本体を取り外します。

スレーブシリンダから、先端のプラスティックキャップを再利用のために取り外します。次にクラッチホースを固定している抜け止めクリップを外して、スレーブシリンダからクラッチホースを抜き取ります。

このクラッチホースを新しいスレーブシリンダへ差し込み、抜け止めクリップを差し込んで固定して、後はシリンダを2本のボルトで取り付けます。

新しいスレーブシリンダのシャフト先端に再利用のプラスティックキャップを忘れず被せてくださいね。なお、スレーブシリンダのシャフトはバネでしっかり戻るようになってますので、クラッチレバー先端にスレーブシリンダ先端を合わせて、押し込みつつ2本のボルトを入れる感じになります。あとはクラッチフルード交換の要領でスレーブシリンダ内をエア抜きしてから、クラッチペダルの動作と踏み心地をしっかり確認しましょう。ここまで完了すればあとは、バッテリートレイとバッテリーを取り付けておしまいです!

作業順序はこんな感じ、と頭でわかっていても、車の年数が結構経ってると実際は色々とあります。今回の場合、スレーブシリンダを固定している2本のボルトのうち、車体後側の方がかなり固くて、これは強引にやるとネジが飛びそうって感じでした。潤滑剤を拭きながら少し緩めて戻してをかなり繰り返しながら少しずつ緩めて、何とか事なきを得ました。。次にクラッチホースが古いスレーブシリンダから全然抜けなくて、苦労しました。クラッチホースの先端は金属製になってて、1mmちょっと程度のフランジ部がクラッチスレーブシリンダから出てるので、ここをペンチで掴んで少しずつ回しつつ、クラッチホースを抜き取りました。抜けない理由はクラッチホース先端金属部が錆びてた(上の方の画像は錆びてる状態のときです)からなのですが、新しいスレーブシリンダに差し込むとき、はめ合いがきつくて、錆びたままではクラッチホースが差し込めませんでした。そこで、クラッチホース先端金属部を紙やすりできれいに錆取りして潤滑剤を塗布して押し込んだら、無事に新しいスレーブシリンダにクラッチホースが差し込めました!クラッチホース先端金属部にはOリングがあるのですが、今回はそれを再利用しています。L.SPARESでは、このOリングの交換用のものを販売準備しようと思います。

さてさて、無事に作業が完了して試走行してみると、エンジンが温まってひどくなるキューキュー音もクラッチペダルの戻りが悪くなる症状もしっかり直ってる!作業前は原因はクラッチレリーズベアリングかもなー、スレーブシリンダ替えても直らんかもって思いつつ、あまり気が進まない感じで作業を進めたのですが、しっかり直ってこれは絶対に交換する価値があるなぁと感動しました。取り外した古いスレーブシリンダは先端シャフトのバネ反発がまったくなく、明らかに傷んでる感じでした。

取り付けられていた純正品は樹脂製の非分解構造で、中身の状況がどうなってるかわからないのですが、時間があれば破壊して中身の状態を確認してみようと思ってます。非分解構造なのでシールキットは見当たらないのですが、L.SPARESではクラッチマスター本体とスレーブ本体に加えて、それぞれのクラッチホース付きの販売準備を進めるようにします!なお、販売を予定している部品について今すぐ欲しい、という方は問合せ頂ければ今田が見積もりを進めてくれます。納期は1ヶ月程度です。

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