フロントバンパーの補修(ランチアデルタ)
製造からもうかなり年数が経ってるデルタのフロントバンパーはとても脆くなって、色々と割れが出てきます。ランチアは当時WRCに勝つために、デルタ市販車の方を無理矢理WRC競技車に合わせる方針で冷却を最優先して、フロントバンパー開口率を市販車としてはありえないレベルで設計しました。その結果、WRCの輝かしい勝利に繋がったのです!ただ、市販車にはその後そのしわ寄せが出るのですが、その愛おしい歴史を重んじながらフロントバンパーの面倒を見て行くとしましょうか。。
エボは特に開口部が多いのですが、フロントバンパーに掛かる振動や歪みや曲げにより、色々な開口部の角部へ応力集中が起こります。面になっていると剛性が高く応力が分散して大丈夫なのですが、繰り返し応力集中が色々な開口部の角部に掛かると割れがどうしても生じやすくなってしまいます。2026年現在、ほぼ35年程度製造から経てば、経年変化やエンジンルームからの放熱影響でバンパー素材の柔軟性を保つ可塑剤成分が抜けて行き、バンパー自体がとても脆くなってしまってます。今回、補修のために取り外しをしただけで数ヵ所新たに割れました。。。本当に脆いです、単に脱着で簡単に割れて行くので注意してください、ほんと。
うちのデルタの場合、最初にまずフロントバンパーを固定してるボルト回りの割れが見つかりました。画像の履歴を確認すると2017年末頃のようです。塗装のクリアーは随分前に剥がれ始めていたのですが、まあいつか塗って貰おうと思いつつ、今に至ってます。

この割れを見つけてかなりびっくりだったことを覚えてます。デルタのフロントバンパーは、車体側バンパーステイに固定されている正面左右2本のボルトと、フェンダー下の車体側の黒い円盤部分にはめ込まれた左右バンパーサイドにあるブラケットで固定されています。正面左右ボルトのバンパー側の穴は大きく、ボルトに友締めされるワッシャーが実質上バンパーを保持している感じになっています。

フロントバンパーの固定方法から正面左右ボルト周りに応力が集中するので、考えてみれば最初にそこ周りが割れますよね。そこでフロントバンパー部ボルト周り補強ができればと思い、欧州業者と共同開発して下記のようなボルト周りのオリジナル補強部品の販売を始めた経緯があります。エボと16V(8V)用をラインナップしています。

その当時、ボルト周りの補強部品を最初は接着せずにはめ込んで試してこれで安泰か、と思っていたのですが、2021年初め頃に割れが広がっていることがわかりました。加えて右ヘッドライト下も割れていたんです。

そこで一度フロントバンパーを外してしっかり補修しようと思い立ったのが2021年頃でした。デルタのバンパーの脱着手順はとても簡単で、まずは左右ウインカーのバルブホルダーを外してフォグランプハーネスを外してから、正面左右ボルトを外してあとは前に引き出すだけなのですが、バンパーを引き出すときは割れが広がらないように丁寧に進めて下さい!なお、衝突時にエンジン部を保護する鉄ガード(下画像でカンガルーバーみたいなやつ)がフロントバンパー裏にありまして、もともとは両面テープでフロントバンパー上部に固定されているのですが、年数が経てば完全に分離しているかと思います。この保護ガードが正面左右ボルトが差し込まれるバンパーステイに乗っかっているのですが、その引っ掛かりがほんの数ミリなので、フロントバンパーを外したときにドカッと落下するかも知れませんのでこれも注意して貰えればと思います。

さてさて、バンパーを外してみるとボルト穴付近が完全に割れて外れてました。なお、上の画像は補修後のものです。


幸いなことに割れたボルト周り部分は脱落せずに残っていて、そこをまずプラリペアで補修して、あとボルト周りの補修部品をプラスティック用接着剤(種類は忘れました)で固定しました。プラリペア単体ではプラスティックの素材が違うかと思い、樹脂用の瞬間接着剤で補強を入れました。この組み合わせで補修した部分は2026年現在まで十分もっています。今思えばちゃんとバンパーの素材等を確認すべきだったのですが、とにかく現状手に入るもので試してみた、そんな感じでした。

あと、フロントバンパーサイドのステーはバンパー側から飛び出ている3つの円柱部分にはめ込まれていて、外れないようにはめ殺しのクリップで固定されているのですが、これもまあ確認してみるといくつか折れていて、ぶらぶら状態でした。。走行中にフロントバンパーが落ちなくてホント良かったです。

そこで、バンパーの左右ステーも樹脂対応の接着剤で固定しておきました。とても適当な応急処置ですが、これでも2026年までは持ちました!

ヘッドライト下の割れたところの補修画像が残ってなくてしっかり覚えてないのですが、当時何か補修用のテープを張って対応したようです。このテープも2026年現在まで十分もっています。これでほぼ安泰かなーって思って当分問題なく乗っていたのでした。ただ、補修した束の間その当時に新しく迎え入れた500Cを、バックの際に軽くデルタのフロントバンパーに当ててしまって新たな割れを作ってしまい、表から接着剤付けてはめ込んでごまかし補修でしのいでました。
さてさて、前置きがとても長くなってしまったのですが、2026年夏にそのぶつけて割れた欠けた部分がもうグラグラで脱落しそうになってるのがわかりました。幸い欠片はすべて手元にありました!下の画像でグリル左下が欠けてるのがわかりますでしょうか。そこで今回またバンパー外して補修するか!って思い立った次第です。

欠けた部分はたぶん接着剤で対応しても無駄かなと思い、今回はホットホッチキスを試してみることにしました。アマゾンで簡単に手に入るかと思います。私は50Wのもので針の種類が多く付属してるものを購入しました。ホットホッチキスが無事に届き、さあフロントバンパー外して補修してみるぞって意気込んで、バンパー脱着作業を始めたのですが、冒頭でもお話したように新しく次々割れました。。。特にびっくりしたのは、フォグランプのコネクタを下に引き抜く必要があるのですが、ボディ側コネクタを下側へ押した時にバキッと音がしてフォグランプ周りが大きく割れました。。。
バキッと音がするたびにどこか割れたなーって心を痛めながら、フロントバンパーを何とか補修できるよう安置して、とにかく気を取り直してホットホッチキスを試すと、なかなか簡単で補修した部分に強度がある感じで作業がとても楽しいものでした。作業工程はまず割れた部分をしっかり合わせて養生テープで表側から固定して、裏側からホットホッチキスで繋ぎ合わせていく、そんな感じです。私が買ったものは50Wであまりパワーがないものですが、十分簡単に針を埋め込むことが出来て貫通する失敗も少なく、簡単に満足して使えました。ホットホッチキスは下の画像下側に写ってるオレンジ色のガン形状のものです。針を埋め込んだ後は突き出ている端子部分をグラインダーで完全に落とした方がいいかと思うのですが、デルタのバンパーの裏側はスカスカで表から全然見えないので、今回は横着してニッパーで切れるところだけ切りました。あと、念のために埋め込んだ針付近の表面をなだらかに軽く溶かし整える感じがよいと思います。いま思えば樹脂用コテでステンレスメッシュを埋め込んで補修する方法もあったのですが、その時はこの選択肢を思いつかずでした。ちなみに別に報告するフィアット500のフロントバンパーやインナータイヤガードの補修でこの方法を使っています。感覚的には今回のような広範囲で大きな割れで厚みがある場合はホットホッチキスが適しているように思います。




新しく割れたフォグランプ周りもホットホッチキスで補修して、ついでにホルツのエポキシファイバーパテMH146を使って補強を行いました。

フロントバンパー左右のブラケット部分は残念ながら前回補修した接着剤が剥がれて来ていて簡単にバンパーからもげました。。。なので、左右ブラケットもホルツのパテでバンパーサイドにくっつけました。今回使ったホルツのパテが接着材用途で使えるのかわからないので、今後様子見なのですけども。そういえば、この左右ブラケット部分のバンパー樹脂部分はかなり脆くてヒビが多く入っていて、塗装で形状を保持している感じでした。。。なので裏側からの補強という意味でパテを使うのはありな気がします。とにかく、パテでくっつけたブラケットは十分強度が出てる感じでした!


ちなみに、真ん中メッシュ金網部分を固定してるバンパー側スクリュー座部分を確認してみると上側はすべて折れてました。。。なので、これも補修しました。あと、この金網部にある3本の黒い支柱も上側が割れて外れていて、補修しました。

あと、バンパー補修時にウインカー外した方がいいなと思って確認してみると、これまたスクリュー固定部が割れてました。。。なので、これも補修しました。下画像は補修前のものですけど、スクリューで固定する部分が欠損しています。運がいいことに欠損部はぶら下がって脱落していませんでした!

下画像は補修が終わって組付ける前のフロントバンパーです。組付け時のコツとして、バンパーにねじりを加えないようにします。片側から持ち上げてはめていくってのはたぶんまた割れます。バンパーを持ち上げて動かす前に、まずは正面ボルトの所に簡単にバンパーをひっかけられるよう、下記の画像のように細い長めボルトに養生テープを巻きつけて、それを車体側バンパーステーのボルト部に差し込みしておきました。別に長くてボルト穴に差し込めるなら、割りばしでもなんでもいいと思います。その後で衝撃保護ガードをバンパーステーにひっかけておきます。あとはフロントパンパーを取付けるんですが、作業は2人で左右を保持して行うのが最も安全かと思います。今回は今田に手伝って貰えてとても助かりました!取り付け方としてはまず正面のボルト2個の穴をひっかけて、それから片側ずつバンパーサイドのブラケットを車体側へ押し込みつつはめ込む、そんな感じです。片側作業中にもう片側は別の人に保持をお願いする感じで行うと簡単にいくかと思います。ちなみに、ヘッドライト下にフロントバンパーが当たって入りにくい、そんなこともあるかと思います。その場合は面倒ですが、グリル外して両ヘッドライト外してからフロントバンパーの装着作業がおすすめです。

フロントバンパー左右のブラケットがちゃんと奥まで入ってるかを確認してから、衝撃保護カードが落ちてきていないことを確認して、あとは正面2本のボルトを締め込みます。これもあんまり締め込むと割れそうな気がしたので、適当に使えそうなОリングをワッシャー前後に入れて固定しました。この正面2本のボルトをあまり締めず込まずにしているため、緩んでないかいつも確認したいので、ヘッドライト下の左右金網メッシュ部分は取り外しています。

そんなこんなで無事に今回のフロントバンパー補修が終わりました!ちなみにナンバープレートのブラケットはフロントバンパーにリベット止めされているのですが、この付近は以前割れてたので、取り外せるようボルト止めに交換しています。

作業はほんとイタチごっこって感じで補強した部分は大丈夫なんですけど、その周りや弱いところが次々割れていく、そんな感じがしました。最終手段としては裏側全体にコテでステンレスメッシュを埋め込む、そんな必要が出てくるかも知れません。一番いいのは新品を調達するのがいいですよね、きっと。まだ入手できるかと思いますが、いい値段するんですよねぇ。私は補修大好きなので、粉々でもうだめだーってことになるまで頑張ります!今回は補修後、運転する時間がなかったのですが、また何か問題があれば書き加えていきたいと思います。みなさんも一度フロントバンパー周りを確認してみて下さいね。何かあれば専門の板金工場様へご相談されることをお勧めします。補修は早めがよくて定期的に確認するのがよいと思います。
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